2016年6月24日

信用失墜!誇大、虚偽、二重価格…使っちゃいけない広告禁止用語

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広告には使用してはいけない言葉や表現がある

「不当景品類及び不当表示防止法」をご存知ですか?「景品表示法」や「景表法」とも言われています。

この法律をわかりやすい言葉で説明すれば「誇大広告や虚偽広告を禁止する法律」です。

例えば、「日本一」「首位」などの言葉は明確な裏付けがあれば許容されますが、その内容に虚偽があった場合は罰せられることがあります。

景表法はチラシやDMなど広告制作にかかわる人なら知っておくべき法律であり、知らなかったでは済まされません。

また誇大表示や虚偽表示には他にも注意する点として、化粧品やサプリメントなどに使われる表現も、薬事法によって使って良い表現とそうでないものがあります。

不動産広告にもNGワードがあります。

そこで今回は、景表法や薬事法などをベースに広告に使用してはいけない言葉や表現をご紹介したいと思います。

広告に使用しては行けない表現1.不当表示

ここでは、景表法で禁止されている不当表示をご紹介します。

おとり広告

おとり広告とは、客を集めるための架空広告のことです。

例えば期間や数が限定されているにもかかわらず、その旨を掲載していなかったり、安い価格を表示して顧客をおびき寄せたり、より高い商品などを買わせたり…といったことが該当します。

虚偽/誇大広告

広告において、虚偽や誇張した表現を使うことは禁止されています。

例えば、「果汁100%」と掲載されている商品が実際にそのような事実がなかったり、売上や人気ランキングがいつの記録なのかを掲載しなかったりすることです。

広告を実際見ていると「売上No.1」という表記の下に「※2015年1月〜2015年12月」や「◯◯調べ」などが記載されているはずです。

また、必要事項を表示せず誤解を与えるような行為も違反になります。例えば「お一人様◯個まで」などの購入条件、「◯◯した状態において」など事実の補足などです。

広告に使用しては行けない表現2.二重価格の不当表示

景表法で禁止されている二重価格の不当表示とは一体どんなものなのでしょうか?

二重価格を表示する場合は、根拠を明確にする

二重価格とは、定価と割引価格などを並べることです。

二重価格の表示は、比較対照価格が架空のものでなく明確な根拠があるものに限ります。

従って実在しない平日価格、メーカー希望小売価格は表示できません。二重価格を表示する場合は売り出し期間、販売数量などを表示してください。

比較対照価格に使えるもの

・メーカー希望小売価格
・平常価格(当店通常価格、自店旧価格など)

平常価格には明確な定義があり、自店で相当期間(6カ月以上、季節商品は3カ月以上)にわたり、同一のもので相当数の品を販売していた価格です。

※「定価」の表示は「再販売価格指定商品」に限ります。
※「市価」の表示はその地域の大部分の商店で売られている価格です。

比較対照価格に使えないもの

・オープン価格
・標準価格

ちなみに中古の自動車、中古ピアノ、不動産などは業界で自主規制があり、二重価格表示はできません。

他にもペットや生鮮食品などは、比較することが難しいことから、二重価格表示はできません。スーパーのチラシを見てみても、確かに野菜やお肉の価格は一つしか掲載されていませんね。

また、商店街などでよく見る「閉店セール」も、事実に反して使用するのはNGです。(よく見かける気もしますが…)

広告に使用しては行けない表現3.広告表現上問題とされている共通の「特定用語」

広告で使用するには条件のつく「特定用語」について紹介します。

裏付けのないナンバーワン表示はダメ

冒頭でも言いましたが、「最高」「日本一」「首位」「トップ」「ナンバーワン」など最高級、第一位は、具体的な裏付けがあるときは許容されます。その時は根拠を明示する義務があります。自社調べではなく公的な第三者の調べを明記してください。

「最大級」とする場合は、常識的に2~5位以内で1位、2位、3位…の資料を提示し、「○○の分野では最大級」と表示するようにしてください。

ランキング

「激安」や「永久」もダメ

「超特価」「出血価格」「超廉売」「破壊価格」などは表示できません。

不動産、家電、カメラ、スポーツ用品などの小売りに関する規約で「激安」「超特価」「投売り」「破格」「掘り出し」「超お買い得」などの用語の表示は禁止しています。

また、「永久」「完全」「完ぺき」などもNG。

原則として「永久」の用語は使用できません。「完全」「万能」「完ぺき」「安全」「安心」の用語も断定的に使用することはできません。

業界別の禁止用語

景表法で定められている表現以外にも、業界によっても使用できない用語があります。

代表的な2つをご紹介します。

薬事法

化粧品や健康食品などは薬事法により使用できる表現が限られています。

薬事法とは「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和三十五年八月十日法律第百四十五号)」とのこと。

薬事法には、医薬品、医薬部外品、医療機器、化粧品等、ジャンルによって製品や広告に使用できる表現に細かな決まりがあります。

参考:
不動産・化粧品・健康食品・通信教育、4つの業界に見るDMデザインの特徴

チラシやDMを制作する際は、薬事法に気をつけてください。

ちなみに、このような便利なツールもあります。

参考:
薬事チェックツール「やくじるし」

不動産業界の広告禁止用語

不動産広告には、不動産公正取引協議会が定める「不動産の表示に関する公正競争規約」および「不動産の表示に関する公正競争規約施行細則」というのがあり、使用を禁じられている表現があります。

規約に違反すれば注意、警告のほか「500万円までの違約金」という規定も定められています。

以下が具体的な使用禁止用語です。景表法で禁止されている表現とあまり変わらないといっても良いでしょう。

【合理的な裏付け資料がない限り、使ってはならない用語】

完全、完璧、絶対、万全、完全無欠、百点満点、パーフェクトなど
(全く欠陥がなく手落ちがないことなどを意味する用語)

日本一、日本初、業界一、超、当社だけ、他に類を見ない、抜群など
(競争する他社よりも優位に立つことを意味する用語)

特選、厳選など
(一定の基準により選別されたことを意味する用語)

完売など
(著しく人気が高く、売行きが良いという印象を与える用語)

【根拠となる事実を併せて表示する場合に限り、使用が認められる用語】

最高、最高級、極、特級、最上、随一など
(物件の形質や内容、取引条件などについて最上級を意味する用語)

買得、掘出、土地値、格安、投売り、破格、激安、バーゲンセール、安値など
(物件の価格または賃料について著しく安いという印象を与える用語)

広告禁止用語 まとめ

今回は景表法のうち「広告禁止用語」という括りで、広告表現でつい使ってしまいがちな誇大表現や価格の表示について説明しました。

景表法には他にも消費税の表示に関する義務や差別用語の使用禁止、比較広告の制限など、細かい規制法規があります。

うっかりと禁止表現を使わないように気をつけましょう。

また景表法にはオファー(特典)にも影響のある禁止法規がありますので、また別の機会にご紹介したいと思います。

参考:
知らなかったじゃ済まされない!懸賞やオファーの景品限度額と計算方法