印刷物の文章作成に必要な5つの基本注意点

印刷物の文章作成に必要な5つの基本注意点

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印刷物作成で注意する基本ポイントとは

私が、何度かお話をしている印刷物作成の重要な注意点の1つは、文章の作り方に関してです。

それは単純に、正しい日本語で、誤字脱字がない文章を書く、ということではありません。

読み手を意識した印刷物の制作には、さまざまな工夫がありますが、印刷物に使われる文章は、その媒体特性によって、読みやすさが変わってきます。

そのため、印刷物の文章作成の基本を押さえることが、読みやすい印刷物作成に必要になります。

まずは、多少の誤字脱字よりも(本当はダメですが……)、文章の読みやすさを大事にすることの方が、読み手に対しては優しいということを理解してください。

そこで今回は、印刷物における文章作成の基本ポイントを5つお伝えします。これらのポイントをしっかりと覚えて、ユーザーフレンドリーな印刷物を作るようにしましょう。

印刷物の文章作成注意点1.文字の大きさと字体

文字の大きさやフォントによる読みやすさを押さえておきましょう。

1.文字の大きさ

印刷物の仕上がりサイズや読み手の年齢にも左右されますが、一般的な印刷物を作成する場合、文字の大きさは8~10ポイント以上が基本で、12ポイント以上あると読みやすくなります。

高齢者や若年層に向けた印刷物では、文字サイズをさらに大きめにすることで、判読性を高めることができます。

判読性とは、文章のわかりやすさの度合いを示すもので、誤読をさせず、正確に文章の意味が伝わるかどうかのことです。

たとえば専門用語や、横文字ばかりを使った文章は非常に意味がわかりづらく、判読性が下がります。

参考:
文章の読みやすさを決める可読性、視認性、判読性とは

2.文字の字体

フォントは、文章を読みやすくする要因の一つです。フォントは明朝系(欧文はセリフ体)とゴシック系(欧文はサンセリフ体)の2種類に分けられます。

明朝体は、強弱があるため文字の形を判別しやすく、正確に読めるため、疲れを感じにくい特徴があります。また、横線が細いため、軽やかで明るい印象になります。そのため、長めの文章に使いやすいフォントです。

ただし、フォントが小さくなると線の細さのため、文字が判別しづらくなります。

ゴシック体は、線の太さが均一なので、明朝体に比べてインパクトがあり、目に入りやすい特徴があります。そのため、簡潔に要点を伝える文章やキャッチコピーに使われることが多いフォントです。

また、ある程度小さな文字でも読みやすいため、雑誌の本文や注釈などに使われやすいフォントです。

参考:
印刷物で意識する読みやすい文章を作る4つの法則

明朝系(欧文はセリフ体)とゴシック系(欧文はサンセリフ体)の2種類のフォントの特徴を掴んでおくことで、印刷物に適した文章を配置することができます。

印刷物の文章作成注意点2.文字の字間・行間・余白

一行の文字数や全体の空白の使い方も、読みやすさを大きく左右する要因です。

1.文字の字間

文字サイズが小さいと文字の判読が難しく疲れますし、意味が理解しづらくなります。文字間が均一でない場合は、文字を読むテンポが変わるため、無意識のうちに疲労を感じるようになります。

参考:
印刷物で意識する読みやすい文章を作る4つの法則

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文字の中心から、次の文字の中心までの送り量を「字送り」といいますが、一般的に、文字と同じサイズで字送りする「ベタ組み」が基本です。

たとえば、読み物などの場合、文章を使ってインパクトを残すことよりも、あるスペースに対して、文字を均等配置することを意識します。そのため、ベタ組みで文章を読ませます。

逆に、ポスター等のキャッチコピーの場合、インパクトを重視して、字間を2分の1~4分の1開けることで、視覚イメージで印象に残りやすい文字組みを作ります。

2.行間

行と行の間隔が狭いと、行末から次行の行頭に視線が移動する際、行頭を探す手間が増えるため、疲労度が高くなってしまいます。

行間は、縦組みであれば、使用する文字サイズの60~100%程度が妥当だと言われています。つまり、文字サイズ8~10ポイントの場合、おおよそ6~10ポイント程度ということになります。

横組みの場合の行間は50~70%程度を目安にします。

もちろん対象年齢が上がれば、文字サイズを大きくするんですが、その場合150~200%が目安になります。

参考:
印刷物で意識する読みやすい文章を作る4つの法則

また、文章の周りには適切なスペースをとるようにしましょう。

スペースを惜しんで情報を詰めすぎると、伝わりにくい以前に、文章を読んでもらえなくなってしまいます。いかに情報を整理するかがポイントです。

印刷物の文章作成注意点3.読みやすい文章

ここで言う読みやすい文章とは、日本語として意味が通じやすく、わかりやすい文章のことです。この注意点は、知ってるだけではなく、対応するための修練が必要になります。

1.正確に記述する

伝えたいポイントを明確にした文章を書きましょう。事実と意見の区別を明確にすることが大切です。

なお、正確に書こうとするほど、難しい用語を使用したり、長い文章で説明してしまいます。基本は、伝わりやすい文章を端的に!です。

2.わかりやすく書く

文章は、読み手の視点に立って表現することが大切です。文章をわかりやすく書くために、5W1Hを明確にしたり、結論を先に持ってくることで、言いたいことが伝わりやすくなります。

一文が長くなりそうな場合は、句読点で適度に文を区切り、短く簡潔な文章にします。

読みにくい漢字、難しい言葉、カタカナ語、外来語には工夫が必要です。難しい人名や地名、固有名詞にはふりがな(ルビ)をつけるデザインを取り入れてみましょう。

専門用語や外来語は、注釈を使えば良いのですが、なるべくカタカナ語を多用しないようにしましょう。

最後に自分が書いた文章を読み直して、「この文章で言いたいことが読み手に伝わるのか」を考えながら、推敲しましょう。

ちなみに推敲とは、以下の意味です。勘違いしやすい言葉なので、意味を押さえておきましょう。

文章の内容を良くするために何度も練り直すことを推敲と言います。よく間違えられるのは、校正です。校正とは、完成した内容の誤りをチェックし、修正作業を行うことを言います。

参考:
もうキョドらない!現場でよく使う印刷・デザイン用語

3.字や文章だけにしない

読み手の負担は、レイアウトによっても変わります。文字だけが並んでいると、読み手は集中力が下がりますし、状況を具体的にイメージできないこともあります。

文字だけよりも、図版が掲載されている方が、視覚的によって読みやすく感じるため、効果的に使いましょう。

一般的には、誌面に対する文字が占める割合が大きいほど読みにくさを感じ、図版が占める割合が大きいほど読みにくさを軽減できます。

しかし、あまりに図版の面積率が大きいと、情報量が少なすぎたり、幼稚すぎる印象を与えてしまうため、注意が必要です。

チラシやポスター、または冊子の表紙はインパクトを与える画像や象徴する写真を使うため、年齢に関係なく図版率は高くなりますが、読みやすい図版率は50%~70%ほどだと言われています。

また、誌面広告や雑誌では図版率を50%前後にすると読みやすいと言われています。

参考:
印刷物で意識する読みやすい文章を作る4つの法則

読み手に負担をかけないように、箇条書きを使ったり、読む順番が分かるように、番号や矢印をつけるといった工夫も効果的です。

印刷物の文章作成注意点4.色使いの工夫

情報がきちんと伝わる色使いをしましょう。色を上手に使うと、情報をよりわかりやすく伝えることがでます。

1.色の効果

文字に対していくつかの色を使うことで、目につきやすく、注意をひきやすくなります。また、文字だけでは表現しにくい部分を表現できるため、メリハリがつき、重要なところを強調できます。

しかし、色の見え方は人によります。「赤文字で強調」など、色のみを情報伝達手段にすると、色弱者の方は情報を読み取りにくくなります。

白黒でコピーしても情報が伝わるかどうかを必ず確認した上で、色の効果が発揮できるように色を使うことが大切です。

2.色の使い方

文字を見やすくするためには、コントラストが重要です。背景が白い時は、文字はできるだけ濃い色・暗い色を使い、明度にコントラストをつけましょう。

また、文字の明度、彩度にも気を配りましょう。背景の色と文字の色が異なっていれば良いわけではありません。明度、彩度が高い文字は、背景との組み合わせによって文字がチカチカしてしまいます。

複数の組合せを使って、見やすい色合いを選ぶようにしてください。

3.色覚バリアフリーな色選び

色覚異常の方は、識別しにくい色があります。日本人男性では20人に1人、女性では500人に1人程度が色覚異常であると言われています。

色覚異常の場合、「赤と緑」「紫と青」「オレンジと黄緑」など、暖色同士や寒色同士を区別しづらくなります。

濃い赤は、黒やこげ茶と混同しやすいので、濃い赤や暗い赤を使わず、赤橙やオレンジを使いましょう。

緑は赤や茶色と間違えやすいので、青みがかった緑を使いましょう。同様の理由で、黒・青・緑色の背景には赤字を使用しないようにしましょう。

背景を変えられない場合には、文字色を白・黄色・クリーム色などにして、コントラストをはっきりさせます。

さらに、明るい緑と黄色が同一に見えてしまうので、黄色、黄緑、明るい緑はなるべく一緒に使わないようにしましょう。

また、白内障では黄色、白、クリーム色を混同しやすいので、明るい黄色は、白やクリーム色と組み合わせないようにしましょう。

参考:
印刷物にも必要なユニバーサルデザインの意味と事例

印刷物の文章作成注意点5.グラフや図版を使う

先ほど述べたように、グラフや図版を適度に入れることで文章が読みやすくなり、理解が深まります。

図版を使用する場合は、凡例をつけるだけでなく、図中に説明(キャプション)を書き込んだり、領域に引き出し線をつけるなどして、何を表しているのか、見やすい工夫をしましょう。

また、色だけではなくハッチング(網掛け)や明度の差を利用したり、塗り分けの境目を白や黒で強調することでも見やすくできます。

さらに、線の区別を色だけに頼らず、実践、点線、破線など、さまざまな線種を使うことで、色覚バリアフリーにつながります。

完成した印刷物が見やすいかどうかを測るために、モノクロ印刷をして、確かめてみると良いでしょう。

印刷物の文章作成に必要な基本注意点まとめ

WEB上の情報とは違い、印刷物は誰が見ても、その大きさ、その形でしか、情報を得ることができません。

そのため、読み手に対して、効果的に情報を伝えるためには、読まれるための工夫、読みやすさの工夫、わかりやすさの工夫が必要です。

最近では色覚バリアフリーやユニバーサルデザインも意識されるようになっており、読み手のパーソナルな特徴を想定した印刷が強く求められています。

自分よがりではなく、「読み手のことをどれだけ考えて作れるか」が良い印刷物をつくるための鍵です。

まずは、この5つの文章作成の基本ポイントをしっかりと実践してください。そして、情報をより効果的に読み手に伝えるための工夫を施していきましょう。

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