押さえておくべき慣用句の誤用表現26選

押さえておくべき慣用句の誤用表現26選

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慣用句は本当に間違いが多い

文章には、シチュエーションに合わせた表現があります。

例えば、簡単な話し言葉にしても、「おはよ!」「おはよう。」「おはようございます。」の使い所は人によって違うはずです。

もちろん印刷物でも、トーン&マナーによって、「おはよ!」「おはよう。」「おはようございます。」は使い分けられなければいけません。

話し言葉と印刷物の大きな違いは、印刷物の文章は保存され、何度も読み返される可能性があるということです。

そこで、文章を作成する際は、なるべく時代に即した正しい表現を用いるように心がけなければいけません。

以前、文章表現によくあるミスで誤字脱字の種類に関するお話をしました。

誤字脱字の種類1.語彙のミス
 1.ひらがな・カナの誤字
 2.漢字・送り仮名・英数字などの誤字
 3.単語自体の誤字
 4.ひらがな・カナの脱字
 5.漢字・送り仮名・英数字などの脱字
誤字脱字の種類2.文法のミス
 1.ら抜き言葉
 2.下さい、ください
誤字脱字の種類3.文章作法のミス

参考:
印刷後はヤバイ…校正で誤字脱字の誤植を見つける7つの方法

今回は、慣用句の誤用表現についてお話したいと思います。

文章を書く上で、慣用句の間違った表現もかなりいろいろなところで見かけます。

もちろん私も年に何度か「あれ?」ということはあります。まずは以下の慣用句の間違いを見て、あなたも勘違いをしていた表現がないか、確認してみてください。

慣用句の誤用例1.てにをはの間違い

「てにをは」の使い方はよく間違いがあります。「てにをは」は正しく使いましょう。

手が負えない→手に負えない

正しくは「手に負えない」です。「手に余る」と同義で、物事を自分の力で扱いきれなくなった時に使います。

恩を着せる

正しくは「恩に着せる」です。恩を施したことにたいして、殊更ありがたく思わせようとするという意味です。

上や下への大騒ぎ→上を下への大騒ぎ

正しくは「上を下への大騒ぎ」です。混乱した様子を表現する慣用句です。

慣用句の誤用例2.漢字の間違い

文章特有の間違いとして、漢字の間違いがあります。パソコンやスマホを使うようになって、うろ覚えの漢字が増えましたね。

過去の誤ち→過去の過ち

正しくは「過去の過ち」です。物事をし損なうことを「過ち」と言います。「誤り」はあっても「誤ち」という送りはしません。

凌ぎを削る→鎬を削る

正しくは「鎬を削る」です。「鎬」とは刀の刃と峰の間で稜線を高くしたところのことで、鎬を削り落とすほど激しく争うことが語源となっています。

袖振り合うも多少の縁→袖振り合うも多生の縁

正しくは「袖振り合うも多生の縁」です。知らない人と道ばたでちょっと袖が触れ合うような些細な出来事も、前世からの深い因縁であるという意味です。

新規巻き返し→新規蒔き返し

正しくは「新規蒔き返し」です。種を蒔いても芽がでないので蒔き直す、という由来があります。劣勢から反撃する「巻き返し」と混同しやすいようです。

慣用句の誤用例3.名詞、動詞の間違い

これは単純に覚え間違いです。意味が似ている名詞や語感が似ているものと混同してしまいます。

上には上がいる→上には上がある

上は「いる」ではなく「ある」です。本来は、物や技術に対して使っていたため、人を指してしまうと「いる」を使ってしまう気持ちもわかります。

顰蹙を買われる→顰蹙を買う

正しくは「顰蹙(ひんしゅく)を買う」です。顰蹙は、顔をしかめたり、眉をひそめるなどして不快感を示すことで、自分の言動が原因で悪い感情を持たれる時に使います。

合いの手を打つ→合いの手を入れる

正しくは「合いの手を入れる」です。歌や踊りに合わせて手拍子や声かけすることで、本来「合い」は間、「手」は楽曲のことです。つまり、「間に楽曲を入れる」と考えましょう。

脚光を集める→脚光を浴びる

正しくは「脚光を浴びる」です。舞台に立つことや、世間の注目の的となることを「脚光を浴びる」と言います。

顔の皮が厚い→面の皮が厚い

正しくは「面(つら)の皮が厚い」です。恥を恥と思わない、ずうずうしいという意味です。「よく、臆面もなくそんなこと言えるな。」の面と同じですね。

印籠を渡す→引導を渡す

正しくは「引導を渡す」です。相手が諦める最終的な宣告をすることを表します。元々の意味は、人を導いて仏道に入れること、転じて、死んだ事を分からせる儀式を行うということです。

頭を傾げる→首を傾げる

正しくは「首を傾げる」です。物事を不思議に思う時、疑問に思う時に使う表現です。「あれ?首だっけ?頭だっけ?」ということをたまに聞きます。

熱にうなされる→熱に浮かされる

正しくは「熱に浮かされる」です。高熱で戯言を言ったり、夢中になってのぼせ上がることを言います。これはかなりよくある間違いです。

采配を振るう→采配を振る

正しくは「采配を振る」です。チームや部署を指示し、指揮することを言います。

間が持たない→間が持てない

正しくは「間が持てない」です。することや話題がなくなって、時間を持て余すことを言います。

物議を呼ぶ→物議を醸す

正しくは「物議を醸す」です。世間の議論を引き起こすことを言います。

足下をすくわれる→足をすくわれる

正しくは「足をすくわれる」です。卑劣な手段で失敗させれられることを言います。すくわれてしまうのは「足」で「足下」はすくわれません。

雪辱を晴らす→雪辱を果たす

正しくは「雪辱を果たす」です。「雪辱」自体が「前に受けた恥をそそぐこと」という意味なので、それを「果たす」のです。

のべつくまなし→のべつまくなし

正しくは「のべつまくなし」です。ひっきりなしに続くさまのことを言います。漢字にすると「のべつ幕なし」で、「のべつ」は絶え間なく続くこと、「幕なし」は芝居で幕を引かずに演じ続けることを意味します。

目鼻が利く→目端が利く

正しくは「目端(めはし)が利く」です。目が利く、鼻が利くという言い回しはありますが、目鼻が利くとは言いません。ちなみに、「目端が利く」とは機転がきくという意味です。

慣用句の誤用例4.言葉の意味の間違い

最後に、意味の間違いです。慣用句自体は合っていても、文脈を考えるとおかしいということはよくあります。

煮詰まる

「議論が行き詰まってしまい結論がでない状態になること」と思われがちですが、本当は、「議論や意見が十分に出尽くして結論の出る状態になること」を指します。

情けは人のためならず

「人に情けをかけて助けても、結局その人のためにならない」ということではなく、「人に情けをかけることは、巡り巡って自分のためになる」ということを指します。

激を飛ばす

「元気がない人に対して発破をかけ、活気づけること」ではありません。正しくは、「自分の意見や考えを、広く人に知らせて同意を求めること」という意味です。

割愛する

「不要なものを省略すること」ではなく、「惜しいと思うものを手放すこと」を指します。

慣用句の誤用表現まとめ

慣用句の誤用表現は、今回ご紹介したもの以外にも沢山あります。

ところが、時代が変わると誤用表現が誤用ではなくなることもあります。例えば、慣用句ではありませんが以下のように。

「全然大丈夫。」という表現がありますが、これは本来、全然の後に否定が来なければいけません。つまり、「全然問題ない。」という表現が正しい訳です。

と思っている人が多いはずです。

明治から昭和戦前にかけて、「全然」は否定にも肯定にも用いられてきたはずですが、日本語の誤用を扱った書籍などでは「全然+肯定」を定番の間違いとして取り上げています。国語辞典で「後に打ち消しや否定的表現を伴って」などと説明されていることが影響しているのか、必ず否定を伴うべき語であるようなイメージが根強くあるようです。

参考:
なぜ広まった? 「『全然いい』は誤用」という迷信  :日本経済新聞

このように、全然の使い方は時代によっても変わるようで、最近では、国語辞典にも、全然を肯定表現で使うという変化も出てきています。

参考:
印刷後はヤバイ…校正で誤字脱字の誤植を見つける7つの方法

とは言え、読み手のストレスを減らし、文章の中身に注目させるためには、今現在の正しい文章表現を押さえておいた方が良いでしょう。

幸い慣用句であれば、迷った時でも、由来さえ知っておけば正しい表現が分かるはずです。

地道なことですが、読み手を惹き付ける文章を書くためには、今現在の正しい日本語を使うことは大前提です。しっかり身につけていきたいですね。

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