商品市場価値を高めるSTP分析の意味と使い方事例

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商品の市場価値を高めるSTP分析

顧客ニーズ、競合企業、社会構造の変化など、様々な要素によって、市場経済は成り立っています。

私たちは、市場に適応するために、自社商品の価値を見極め、適切な形に変化させていかなければいけません。

商品の価値を高め、適切な顧客に提供し、他社との差別化を図るマーケティング戦略を取るにために必要なアプローチとして、STP分析という手法を用います。

STP分析とは、「Segmentation(セグメンテーション)」「Targeting(ターゲティング)」「Positioning(ポジショニング)」の頭文字をとったマーケティング手法のことです。

STP分析を使えば、市場のニーズを満たす自社商品やサービスの位置付けを把握でき、効果的に市場を開拓することができます。

そこで今回は、STP分析の詳細と、適切にSTP分析を利用するための事例などをご紹介したいと思います。

STPの要素1.Segmentation|セグメンテーション

セグメンテーションは、市場の顧客を特性によってグループ分けすることで、分けられた層毎(セグメント)の異なる市場ニーズを把握するために行います。

費用対効果の高い商品訴求をするためには、セグメンテーションで市場の構成要素を明確にして、セグメントのニーズと商品特性に何らかの接点を見出さなければいけません。

セグメンテーションの利用方法

市場を商品にとって意味のある形に細分化し、顧客にとっての価値を見つけ出すためには多くの知見が必要です。

例えば、学生、社会人、主婦、高齢者などの大雑把な違いだけでなく、主婦層でも20代、30代、40代などのようにまず属性を細分化し、次に、普段この商品を使う層、関わっている層など商品特性によって、セグメントを分けていきます。

セグメンテーションでは市場を細分化するパラメータは、地理的、人口統計分布、心理的、行動的に分類するのが一般的です。

セグメンテーションの効果を上げるためには、ターゲットをできるだけ小さく分割し、次のターゲティングで、明確なニーズを炙り出す準備をした方が、より現実的な分析が可能になります。

STPの要素2.Targeting|ターゲティング

ターゲティングとは、セグメンテーションの結果、自社商品の参入すべき市場を選定する行為のことです。

選定には、ターゲットの市場規模やニーズなどの複数のセグメンテーションの軸を組み合わせて、理論的に市場を攻める理論を組み立てなければいけません。

また、製品やサービスによっては、一般的な市場の規模とニーズの大きさは必ずしも一致しないため、複数の軸から多角的に考えてターゲティングすることが重要です。

ターゲティングの利用方法

例えば、ペット用品販売会社がターゲットを選ぶ際、ペットを家族のように大切に思っている人たちの中でも、「犬を飼っている人たち」と「カメを飼っている人たち」では、市場規模が違います。

「犬を飼っている人たち」の中でも、食事にお金をかける人、住居にお金をかける人、その他のペット用品にお金をかける人で、市場の規模が違います。

情報が不足していると、セグメンテーションが不十分になり、結果、間違ったターゲティングをしてしまう可能性もあるため、ターゲティングの段階で、セグメンテーション要素を見直しながら、検証していく必要があります。

また、明確なターゲティングを行うためには、市場調査を何度も重ねることが望ましいでしょう。実際にターゲットに聞き込みし、本当に市場が存在しているかを確かめなければいけません。

STPの要素3.Positioning|ポジショニング

ポジショニングは、顧客の利益を検討し、自社や自社商品のポジションを確立するために行います。

そのために、顧客のニーズをいかに満たし、競合他社に比べて、顧客に受け入れられる価値を提供できるかが重要です。

価格、質の高さ、画期的な技術などを細分化して、ターゲットに照らし合わせつつ確認をしていきましょう。

ポジショニングの利用方法

競合企業と自社が異なる価値を提供することが差別化です。そのため、ポジショニングは市場ニーズに対する競合企業との相対評価を軸に分析していきます。

例えば、より静かな掃除機の市場ニーズが高まっているのであれば、他社製品と比較して、掃除機の静かさが優位であれば良いということです。

ところが、ある程度静かな掃除機で、容量が大きくなければいけないというニーズが高ければ、大容量で静かな掃除機の機能を追求しなければいけません。

ポジショニング

市場のニーズ(価値軸)を複合的に選定し、その価値軸に沿って自社と競合企業を評価していきます。自社のポジショニングを検討している段階では、価値軸は市場のニーズに合わせて自由に設定して構いません。

価値軸を抽出したら、ポジションを決定していきます。自社が取るポジションは、競合他社にない価値軸に強みがあるところです。競合他社と自社の差別化要因を明確化することで、STP分析の目的を達成します。

STP分析の事例

例えば、今は存在しない未来の自動車を製造すると仮定しましょう。

その未来の自動車は、1人乗りの超コンパクト設計で、全長180cm、全幅が70cmほどしかありません。

ところが、ボタン1つで前後左右ワイドに拡大し、前列2人乗り+後列2人乗り兼荷物置き場が確保できます。価格も新車で60万円、燃費もリッター50kmで、現在の自動車に比べると維持費もスペースも必要ありません。

この未来の自動車が、誰をターゲットにしていて、どのように市場から必要とされるのか、STP分析を用いて考えてみましょう。

セグメンテーション

まず、商品が自動車であることから、自動車は誰が乗る物なのかを考えます。

自動車に乗る層は、自動車免許を持つ18歳以上の男女だけではなく、親が運転する自動車に乗る子供、自分では運転しない方たちもいます。

自動車に乗るシチュエーションはプライベートや仕事、その中でも海に行ったり、山に行ったり、買い物に行ったり……。

また、現在の自動車を必要とする層は、地方に行けば必要不可欠で生活に密着した乗り物ですが、都市部にいくと維持費がかかるため多くの方が所有できません。その代わり、少し歩けば利用できる交通機関があります。

ターゲティング

次に、ターゲティングを行います。未来の自動車を作る企業は、一家に1台コンパクトカーを置き、将来誰でも乗れるちょっとした足代わりにしたいという意図を持っています。

未来の自動車が現在と同じ価値提供をするのであれば、都市部の多くの方たちは対象になりません。

ところが、値段は今の軽自動車の1/2、燃費は2倍、必要なスペースも1/3ほどであるため、これまで自動車を持つことができなかった層に訴求することができます。

そのため、一番恩恵を受ける都市部に住む方たち、中でも平日に買い物で普段使いをしたい主婦をターゲットにすることにしました。生活を便利にする贅沢品であるため、世帯年収は700万円以上が対象です。

ポジショニング

最後に、この未来の自動車が自動車産業において、どのようなポジションを取るかです。

「自転車よりも楽に移動でき、原付きよりも安全ではあるが、それ以上の維持費やスペースが必要な乗り物」というポジショニングです。

この未来の自動車は、見た目よりも利便性を重視します。そしてコストパフォーマンスを重視します。狭くても、子供が小さい家庭であれば一家4人が乗れて、経済的であるということを重視します。

大きな自動車に乗りたいからという理由だけで、大きな家を建てたり、都内から地方に引っ越すという方は多くはないでしょう。場所の問題で自動車を買えない層にとっては、選択肢の1つになりえます。


ちなみに、トヨタは個人が乗る車として、パーソナルモビリティー「i-ROAD」を販売しようとしています。例に挙げた未来の自動車のイメージはこの進化系のイメージですね。

参考:
トヨタ | パーソナルモビリティ | TOYOTA i-ROAD

STP分析の意味と使い方まとめ

商品の優位性を見出すための4P分析、消費者の価値観を見極める4C分析、大きく自社の強みを分析するSWOT分析、市場をマクロ的に分析するPEST分析と、様々な分析手法がありますが、私は、このSTP分析の比重をかなり重く考えています。

理由は、STP分析は、顧客との対話なしに分析をすることが不可能な手法だからです。

自社の顧客や市場調査、または他社製品を使っている顧客の声など、全て客観的な視点で情報を集めていかなければ、STPは破綻してしまいます。

そういった意味で、様々な分析をして頭でっかちになりがちなマーケティング脳を一旦フラットにしてくれる役割も担っているのではないかと考えます。

2ステップマーケティング然り、ダイレクトマーケティング然り、また、ITを活用したメルマガ然り、SNS然り、これからの販促には、顧客とのコミュニケーションは不可欠です。

より顧客と密接にコミュニケーションを取り、パーソナライズが必要な販促手法が増えている中、客観的な情報収集と分析に主を置くSTP分析は、企業にマストなマーケティングフレームワークと言えるでしょう。

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